「崩壊国家を検討する際に、S・クラズナーの主権に関する議論を援用し、「政府」を「国内的主権」にかかわる組織とし、「内」にかかわる統治に焦点を当てた組織の側面と考え、「国家」を国際承認に関わる「国際法的主権」と内政不干渉に関わる「ウェストファリア的/ヴァッテル的主権」、言い換えると「外」との関係をめぐる法と政治にかかわる組織という形に便宜的に分けて検討した。さらの、より動的な分析を行う手法を用いて、現代国際関係が、理念型としての主権国家(国民国家)からのみされるものではなく、図の様々な箇所に相当する多様な政体のもとで、国際秩序の模索が行われているという21世紀の国際社会像を描いた。
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