本研究は、中国と台湾の教育課程で小中高生に教えられてきた日本像の解明を目的としている。研究期間中は、1949年から現在までの中国と台湾の教科書、教育課程における日本に関する記述や教育方法を分析した。特に、国定教科書の性格が強い中国の人民教育出版社と台湾の国立編訳館が編集した歴史科、国語科、社会科の教科書を中心に分析した。また、1995年から2009年までの期間、上海市で出版された歴史教科書における日本関連の記述と、人民教育出版社の教科書との比較検討を通じて、2000年代以降の中国の歴史教育改革と対日イメージの形成との関係性も明らかにした。
|