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2014 年度 実施状況報告書

戦後の米欧関係におけるアメリカ広報文化政策の実態と影響の解明

研究課題

研究課題/領域番号 25380193
研究機関京都大学

研究代表者

齋藤 嘉臣  京都大学, 人間・環境学研究科(研究院), 准教授 (10402950)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2018-03-31
キーワード冷戦
研究実績の概要

平成26年度は、前年度に行った研究の進展を基礎に据えて、アメリカの冷戦政策を中心に検討を行い、アメリカニズムの変容過程を分析した。具体的には、1950年代のアイゼンハワー政権下における冷戦戦略について考察し、特に音楽を通じたアメリカニズムの発信論理を明らかにした。その結果、自由や民主主義といった価値を表象するアメリカニズムを確認するとともに、その論理が内包する矛盾についても表出した。
このような観点については、主にアメリカ人研究者によって行われた研究の蓄積がある。ただし、それらの既存研究がアメリカ史の文脈から検討を加える一方で、申請者はアメリカの外における「アメリカ」の受容過程についても検討を加えた。その結果、アメリカ政府が発信するアメリカニズムの論理と、アメリカの外で「アメリカ」を受容する論理との間に齟齬が生まれていることが解明された。特に、フランスや西ドイツ等の西洋諸国では、主に知識人を中心として、アメリカ文化に対する嫌悪感から、アメリカ音楽への抵抗が見られたが、同時にアメリカ文化を受容することで、反米の意思表明の手段に当該文化を用いる事例も検討された。
従来、このような文化発信者と文化受信者との間の齟齬については、カルチュラル・スタディーズで論じられて来た。だが、同様の視座が冷戦史あるいは外交史の観点からも重要な示唆を与えることが明らかとなり、それを今後の研究を進める上での重要な分析視角とすることができた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

平成26年度に行う予定であったアメリカ社会変容の過程について、予定どおり分析した。

今後の研究の推進方策

平成27年度も、引き続きアメリカの国内外のアメリカ発信の論理と受信の論理の齟齬を検討する。

次年度使用額が生じた理由

当該年度に予定していた海外への資料調査につき、必要な情報を得られるのが平成27年度になることが見込まれたことで延期したため。

次年度使用額の使用計画

当初26年度に予定していた資料調査を27年度に行うため、26年度に計上していた経費を充当する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2014

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 「『イギリスの投影』と文化発信」2014

    • 著者名/発表者名
      齋藤嘉臣
    • 学会等名
      日本国際政治学会
    • 発表場所
      福岡国際会議場
    • 年月日
      2014-11-14 – 2014-11-14

URL: 

公開日: 2016-05-27  

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