植民地制度と標本に注目しフランスなど、ヨーロッパに届けられた植民地政策と関連づけられた標本のあり方、行方、利用・発展を調べる聞き取り作業から、現代の社会および離島・遠隔の島との関係を、標本を間に、戦後の取り組みからポストフクシマ時代として組み直す調査をすすめた。調査の合間には、テロ事件など研究作業の地域、概略を見直さざるを得ない事情があったが、同時に、東北アジアの問題へと軸足を動かし、残された課題には、この地域の多様性問題、また改めて企業と社会、前年度最後に見いだした負荷の高い歴史再訪を促す「サンプル」の独自性の広がりがある。
最終年度は、標本に注目し、フランス、デンマーク、イタリア、スイスなど、欧米に送られ、届けられた植民地政策拡張期と関連がある標本を入口に、ミュージアム・植物園政策、研究機関の利用・発展を聞き取り調査から、現代社会のテーマとして海外領土/遠隔島嶼との関係標本を間に企業を参照対象として終戦直後枠組みからポスト・フクシマ時代まで、蒐集の利用と、関心が寄せられる対象は、学術的な意味での制度史、80年代以降の「ミュージアム」概念から植民地主義と、関連づけられ出来上がった関係再編・措置として、産業および現代の災害(阪神、東北の大震災など)、紛争・軍事介入を前提として、特定の施策を前提に、照射される展示(欧州側のイスラム文化、芸術紹介、ルーブル美術館、アラブ文化センターの活動;ビジネス・フェア;国内蒐集活動と「遺産」との関わり)、大学、民俗学博物館など機関再編、前科研課題・研究の継続領域に加え、ヨーロッパ、フランス研究地域研究の点で異なる領域(メディア、印刷、表現、広報を含む)をカバーする文化移動論研究へと広がった。協力者と調整の上、今後、関連研究の報告を予定している。
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