研究課題/領域番号 |
25380201
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 国際基督教大学 |
研究代表者 |
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 人間安全保障 / 新自由主義 / 世界経済危機 / アイデンティティ / レジリエンス |
研究概要 |
4月から6月までかけて、宗教、アイデンティティおよび安全保障に関する書籍の理念的な部分の執筆が完了し、概要を9月の「人間の安全保障学会」年次大会で発表した。同書籍原稿は同夏に英国国立図書館で完成し、9月30日付けでロンドンの出版業者の手に渡った。この書籍のうち二つの章(それぞれ、南アジアと日本に関する内容)は3月27日トロントおよび3月20日にアデレードで開催されたInternational Studies Association年次大会で発表した。 本研究課題である「人間の安全保障からレジリエンスへ?」の理念的枠組みについては、すでに以下の3つのワークショップで発表されたところである。本研究課題である「人間の安全保障からレジリエンスへ?」の理念的枠組みについては、すでに以下の3つのワークショップで発表されたところである。 1)6月のデュースブルグエッセン大学(ドイツ)学会にて"Rethinking Governance in a World of Complexity"について発表。 2)スウェーデン国際問題研究所(ストックホルム)75周年記念国際ワークショップでNew Authoritarian Capitalismについて発表。 3)ニコシア大学(キプロス)ワークショップでReconstructionsに関して発表。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
学内での教育義務および役職者としての業務が多かったが、2013年度の所期目標は達成したと考えている。まず、書籍は無事2014年4月にイギリスRoutledge 社より刊行された。本書籍の理念的な箇所は2013年6月に、また実証的な箇所は同年9月までに完成していた。本書籍の骨子は9月学会で発表し、原稿も同月中に出版社に渡った。さらに三つのワークショップで論文発表も実現した。
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今後の研究の推進方策 |
2014年度の上四半期においては、政治的主観性に与えた世界金融危機の影響についての理論的背景を固めていく。人間の安全保障問題の枠組みを通じて金融危機により生じた政情不安に迫るという方法ではなく、「レジリエンス」の概念を適用することでこの問題に取り組む。この概念は、新自由主義的統治体制が正当化される背景にあっては、ますます強まる枠組みといえるからである。現地調査は2014年7月のラテンアメリカの最南端(「コーノ・スール」地帯)を中心に実施する予定である。これは、この地域がいわゆる新自由主義発祥の地とされていることに理由がある。「占拠せよ」運動の代表にも同じくインタビューを試みる。新自由主義政策に対する集合的抵抗のありかたを比較検討するためである。予備的研究成果は2月18日~21日にアメリカ・ニューオリンズで開催予定のISA年次総会にて発表予定。
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次年度の研究費の使用計画 |
年度末の海外出張旅費の精算を年度内にできなかったため、さらに2014年度は夏に海外出張を多く予定しているのでそのための旅費としてとりおいたため。 上記旅費精算後の残額は、2014年度配分額と合わせて海外出張旅費に充当する予定。
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