米中関係における「政治力」と「軍事力」との相克は、日本をも含めたアジア太平洋国際関係の中で次第に顕著になっている。中国による周辺国へのパワーの行使は、「三歩進んで二歩下がる」ようなもので、非常に強圧的に見えるときと、非常に協力的に見えるときとの二つが混在している。軍事力という物理的強制力をどのような形態でオブラートに包み、周辺国に自発的に中国に協力させている。 米中関係は、中国が言う「新型大国間関係」を構築しつつあり(と中国は唱えている)、その意味でも、複合的な相互依存関係が顕著になりつつある。どのような米中交渉が行われているか、今後も検証を続ける予定である。
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