研究課題/領域番号 |
25380208
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 明治学院大学 |
研究代表者 |
葛谷 彩 明治学院大学, 法学部, 准教授 (90362558)
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研究分担者 |
板橋 拓己 成蹊大学, 法学部, 准教授 (80507153)
森田 吉彦 大阪観光大学, 国際交流学部, 教授 (70459387)
山中 仁美 南山大学, 経済学部, 准教授 (30510028)
西村 邦行 北海道教育大学, 教育学部, 准教授 (70612274)
小川 浩之 東京大学, 総合文化研究科, 准教授 (60362555)
劉 仙姫 大阪女学院大学, 公私立大学の部局等, その他 (30432404)
小窪 千早 静岡県立大学, 国際関係学部, 講師 (00362559)
妹尾 哲志 専修大学, 法学部, 准教授 (50580776)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 20世紀国際秩序 / 国際関係論 / 国際政治思想 / 外交史 / アメリカ社会科学 |
研究概要 |
本研究は、20世紀のさまざまな地域に現れた多様な国際秩序構想を、国際政治思想史と外交史の両面から比較検討することで、アメリカの社会科学として確立した国際関係論を批判的に再検討するものである。初年度は、1.研究プロジェクトのインフラを構築して相互の手法についての共通理解を確立し、2.個別報告を通じて各自の研究テーマを明確化することを目的とした。主として以下の二つの作業を行った。1.史料と研究文献の収集と発信:既に立ち上げたメーリングリストHPに報告者のレジュメ(参考文献付)をアップすることで、テーマに関する一次史料と研究文献(日本語・英語・ドイツ語)を共有した。さらに、全体の課題である国際秩序観に関する二次文献(日本語・英語)も随時アップした。ウェブでの公開の方法についても検討し、まずはメンバーとこれまでの研究会のコメンテーター(7人)とで共有することとした。それ以上の公開については次年度の検討課題とした。2.個別研究テーマの明確化と調査の開始:下記のとおり、二回の研究会を開催し、4人のメンバーが研究成果を報告した。25年9月1日(明治学院大学、以下同) 報告者(1)森田吉彦(帝京大学):「外交」とは何か 明治日本の国際秩序観 コメンテーター:春名展生氏(中京大学)報告者(2)劉仙姫(大阪女学院大学):朴正煕政権下における政治学者の傾向研究―ナショナリズムとリアリズムの観点から― コメンテーター:長田彰文氏(上智大学) 26年3月29日 報告者(1)塚田鉄也(同志社大学):リアリズムとヨーロッパ統合 コメンテーター:黒田友哉氏(愛知県立大学)報告者(2)板橋拓己(成蹊大学):「アメリカの社会科学」とどう向き合うか―ドイツの国際関係論(IB)の挑戦― コメンテーター:芝崎厚士氏(駒澤大学)
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度の目的であった1.史料と研究文献の収集と発信と2.個別研究の明確化について、1についてはメーリングリストのHPの立ち上げとメーリングリストへのコメンテーターの追加による共有の拡大をはかることができた。2については2回の研究会を開催し、4人のメンバーによる個別研究報告が行われた。さらに各報告について、報告者とアプローチの異なる者も含めたコメンテーターを招聘し、本研究の目的である外交史と思想史の両面からの20世紀の国際秩序構想(日本、韓国、EU、ドイツ)の比較検討とアメリカの社会科学としての国際関係論の批判的再検討を踏まえた、有益で示唆に富むコメントを得た上で議論したことにより、テーマをより深化させることができた。
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今後の研究の推進方策 |
平成26年度は、研究会合を中心とした研究交流を行いながら、引き続き個別研究の深化に努める。 平成27年度は、引き続き定期研究会合を開催すると同時に、これまでの研究の蓄積を基礎として研究成果の最終的な取りまとめに入る。本研究の成果公表は、ワーキング・ペーパーや紀要・学会誌での公表、学会・研究会発表、論集公刊と段階的に進められていく予定である。学会公表については、日本国際政治学会等でのパネルの企画とそこでの報告を予定している。 変更と課題:変更については、最終年度の目標を学会でのパネル企画と報告とし、『「アメリカの社会科学」を超えて:20世紀国際秩序観の再検討』と題 した論集の刊行は共同研究の引き続きの課題とする。対応策としては、平成28年度以降の科研費の再申請を目指すこととする。課題としては、研究会と成果の公開の拡大がある。現状では国際政治学会HPの掲載を試みたが、効果がみられなかったことから、対応策として、討論の質を維持しつつ、まずはメンバー自身のネットワークを利用した研究会の周知を行うこととする。
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次年度の研究費の使用計画 |
理由としては、研究協力者(4名)について、一人当たり13万円の使用を見込んでいたところ、1名が在外研究に出たこと、1名が家庭の事情により、旅費の使用が当初予定額を大幅に下回ったことがある。 対応策として、1.研究協力者への一律の割り当てではなく、旅費や図書費などより多くの額を必要とする協力者に対して、その都度配分する。この点については、既にメンバー全員の承諾を得ている。2.申請では国内のみにしていた旅費について、史料調査及び学会を目的とする海外渡航についても流用し、海外での研究活動への支援を充実させる。3.年二回の研究会の機会を利用して、研究の進め方についての打ち合わせにより多くの時間がかけられるように、食事を含めた会合を充実させる。4.遠方に在住するポスドクの若手研究者を、コメンテーターとして招聘できるよう謝礼の増額を検討する。
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