本研究では、建国初期の6年間(1949年秋から55年夏まで)の中国の国交樹立をめぐる外交(「国交樹立外交」)をマルチ・アーカイヴァル・アプローチに基づき実証的に解明した。英、仏、蘭、北欧、インドネシア、ミャンマー、インド、台湾で史料調査を行い、インドネシアの事例を国際会議で報告し、中国の学術誌に論文が掲載された。ミャンマーの事例を日本国内の学会で発表した。本来国交樹立には不要な条件を設定して自らに有利な展開に持ち込んだ毛沢東外交の巧みさと、グローバルにはイギリスが、アジア地域ではインドが、国際社会における対中政策のハブとなっていたことが解明された。
|