平成26年度から調査、学会報告、その後の修正を踏まえたASEAN人権宣言策定に至るまでのマルチ・トラックアクター間の相克をまとめた論文を神余隆博、星野俊也他編『安全保障論ー平和で公正な国際秩序の構築に向けて』(信山社、2015年)内の一章分として刊行した。 ついでASEAN人権宣言後の履行について、主要なASEAN各国の国内人権状況、人権法を現地調査や会議出席、文献精査などからどの条項をどの加盟国が真剣に履行しようとしているのか調査を継続した。特に同人権宣言をまとめるにあたって推進役であったインドネシア、マレーシアを今年度訪問し、ASEAN政府間人権委員会政府代表職を勤めた担当者から聞き取り調査を行った。 人権規範促進の流れで体制変革を行いつつあるミャンマーにおいて、少数民族保護についても新たな調査を行い、ロヒンギャ族とミャンマー、ASEANについてこの民族自決、民族の人権保護についての研究を始めた。また、これまでの調査、出版論文をベースにした単著執筆のためのプロポーザルを作成し、単著のなかの序章などを進めていった。
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