各国の経済専管水域をまたがって回遊するマグロの資源管理には、国際協力が欠かせない。そしてそのベースになる資源量の推定に用いられるプロセスが、科学に基づいていることが必要である。しかし、科学的プロセスから「政治」を切り離すということは困難であり、産官学の協力関係の中における適当な「距離」がいかほどのものなのか、国ごと、資源管理の国際機構ごと、それぞれ異なってきた。本研究では、ミナミマグロ保存委員会における主要メンバー各国、および同委員会の科学委員会における資源量推定の「科学」を比較・検討し、その問題点を指摘した。
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