平成27年度は主に以下の内容を中心に研究を進めてきた。 1) 開放経済における均衡の安定性問題の再検討。小国開放経済においては金融市場の開放によって、貸出は世界利子率に従わないといけない。よって、閉鎖経済と違って利子率の調整機能がなくなり、内生変数またはその成長率に条件をつけることによって均衡の安定性条件が変わることが確認した。2) 財政政策の効果分析:閉鎖経済と開放経済、そして外生成長モデルと内生成長モデルにおいて政策効果が異なることがわかった。3) 国際貿易パターンの変化に伴う産業構造変化と経済成長:既存文献の整理を行い、既存結果のサービーを中心に行った。前年度の小国開放経済モデルで得た結果を拡張し、更なる新しい研究方向を確認した。4) 財市場の開放タイミングおよびその効果:研究論文の形にし、研究結果を学術誌で公開する。
1)と2)で得た結果を研究論文にまとめて、2016年6月に台北でのコンファレンスにて報告し、学術雑誌に投稿する。3)の研究内容を基づいて外部資金の申請を行った。4)で得た基本的な結果は平成28年度にまず学内誌にてを公開し、コメントを得て修正や拡張を行った後英文誌に提出する予定である。
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