たとえば,欧州議会において,加盟各国にはその人口に比例して議決の際の票数が割り当てられている.このような社会的意思決定制度を重み付き投票という.日本でも「一票の格差」なる議論がなされているが,まさしく人口に比例した議席数の配分では,議決に対してまったく影響力を持たない国が出現しうる.重み付き投票における議決に対する影響力は必ずしも割り当てられた票数に比例するわけではなく,起こりうる投票結果に対する事前予測が可能であるならば,より良い票配分を決めることができるはずである.本研究では,その事前評価が可能であるかを被験者実験によって考察し,投票結果の規則性を観察した.今後の課題はその一般化である.
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