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2015 年度 実績報告書

消費・貯蓄関数のノンパラメトリックバウンド推定

研究課題

研究課題/領域番号 25380226
研究機関横浜国立大学

研究代表者

奥村 綱雄  横浜国立大学, 国際社会科学研究院, 教授 (90323922)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワード部分識別 / ノンパラメトリック / バウンド / 集合推定 / 欠損値 / 消費関数 / 貯蓄関数 / 検定バイアス
研究実績の概要

消費関数と貯蓄関数の説明変数である「期待所得」は、個人の将来期待を反映しようとするものであるが、もともと正確に観測することが難しい変数である。そのため、既存研究では、期待所得に対して強い仮定を課して、期待所得の係数を推定してきた。
例えば、実証分析において、調査対象者に尋ねても期待所得については回答が得られないことがよくある。このとき、被説明変数である消費や貯蓄がすべてそろっていても、説明変数である期待所得の未回答のデータは欠損値となってしまう。
従来の計量経済学の方法では、この欠損値について、「独立の仮定」という強い仮定を課して、期待所得の係数を推定する方法がよく使われてきた。しかし、この「独立の仮定」が満たされないときには、係数の推定値にはバイアスが生じる。
前年度に引き続く当該研究においては、このような強い仮定を課さずに、この期待所得の係数がありうるバウンド(範囲)として推定する部分識別の計量手法を開発した。具体的には、Manski等の部分識別の方法を発展させ、説明変数のデータに欠損値があるときは、ある一点ではなく、説明変数の係数がありうるバウンドを識別する方法を開発した。そして、Moment Inequality推定法を応用して、識別したバウンドとその信頼区間を推定する方法を開発した。
研究結果は、Discussion paperにまとめ、さらに当該研究と関連する研究論文を査読付き国際学術誌に公刊した。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2016 2015

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] Intergenerational Transmission of Skills and Differences in Labor Market Outcomes for Blacks and Whites2016

    • 著者名/発表者名
      Tsunao Okumura and Emiko Usui
    • 雑誌名

      Research in Labor Economics, Special Issue on Inequality: Causes and Consequences,

      巻: 43 ページ: 224-286

    • DOI

      10.1108/S0147-912120160000043003

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 部分識別入門2016

    • 著者名/発表者名
      奥村綱雄
    • 雑誌名

      経済セミナー

      巻: 2・3月号 ページ: 82-91

  • [雑誌論文] 部分識別入門2015

    • 著者名/発表者名
      奥村綱雄
    • 雑誌名

      経済セミナー

      巻: 4・5月号 ページ: 75-86

  • [学会発表] 部分識別とその応用:処置効果を中心に2015

    • 著者名/発表者名
      奥村綱雄
    • 学会等名
      日本経済学会 春季大会
    • 発表場所
      新潟大学
    • 年月日
      2015-05-23
    • 招待講演

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公開日: 2017-01-06  

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