研究課題/領域番号 |
25380233
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 首都大学東京 |
研究代表者 |
飯村 卓也 首都大学東京, 社会科学研究科, 教授 (50279634)
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研究分担者 |
渡辺 隆裕 首都大学東京, 社会科学研究科, 教授 (70220895)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 純粋戦略均衡 / 対称ゲーム / 弱い競争ゲーム |
研究概要 |
本年度は,主に有限戦略ゲームにおける純粋戦略均衡についての研究を行った.まず,昨年度 GAMES2012 にて報告した利得関数が整凹の有限対称ゲームにおける均衡の存在条件に関する論文を,Discrete Applied Mathematics より公刊した. 次に,この論文の条件を弱めた結果について,研究分担者の渡辺が EURO/INFORM2013 にて報告をを行った. この研究では,対称性と(自戦略に関する)凹性に加えて,対称プロファイル付近である条件が成り立てば,純粋戦略均衡が存在することを明らかにしている.その後,Kats and Thisse (1992) の weak unilateral competitive ゲームでは,対称性と(自戦略に関する)準凹性があれば純粋戦略均衡があることがわかり,この結果について,飯村が UECE Lisbon Meeting 2013 にて報告を行った.現在それをまとめた論文を投稿中である.この結果は,対称で準凹の有限二人ゼロ和ゲームには純粋戦略均衡が存在するという,有限二人ゼロ和ゲームで知られている結果を大幅に拡張するものであり,進化ゲーム,特に有限母集団の進化ゲームへの応用が考えられる.現在,他の研究者を交えてそちらの方面への応用を模索している.本年度はまた,有限ゲームの可解性についての研究を行い,いくつかの新しい可解なゲームのクラスを見出した.これらは次年度に引き続き研究していく予定である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
有限戦略ゲームについては発展性のある形で結果がでたため,次年度以降にもさらに発展が期待できる.無限戦略ゲームの均衡の存在条件については特に行わなかったが,ゲームの可解性に関する研究がそれに代わるものとして今年度行えた.これらを総合して,研究は計画通り,おおむね順調に進展していると考える.
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度の純粋戦略均衡に関する研究については,ゲームの可解性,逐次的戦略消去による可解性,進化ゲームの三点を新たに加えて続けることを考えている.平成26年度のその他には,当初の計画通り,混合戦略均衡の求解法について研究をすすめる.
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