研究課題
本年度は,最適反応にならない戦略の逐次的削除によって二人ゲームが可解となる必要十分条件を示した論文1を Economics Letters から公刊した他,弱い利得外部性を持つゲームの均衡の性質を調べた論文について学会報告を行い,その他,四つのワーキングペーパーを公表した.論文1のゲームのクラスは効率的な求解法が存在するゲームのクラスであり,研究期間全体を通じての,一つの大きな成果と考えられる.学会報告論文やその他のワーキングペーパー論文はみな,純粋戦略均衡の存在に関する定理を含み,とりわけ,離散的な戦略集合や不連続な利得関数のもとでの存在定理には,これまでにない,新しい結果が含まれている.本研究では,研究期間全体を通じて,1.有限戦略ゲームにおける純粋戦略均衡の存在条件と求解法,2.混合戦略を離散化したゲームにおける均衡の存在条件と求解法,3.不連続な利得関数を持つゲームの均衡,の三つを研究対象の柱として取り組んだが,このうち2については困難もあって特に成果はなかった.しかしながらそれ以外では,三つの査読付きジャーナル論文と五つの投稿前論文の公表を通じて新しい結果を示すことができ,おおむね良好な成果を生むことができたと考えている.
すべて 2016 その他
すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)
Economics Letters
巻: 146 ページ: 68-70
10.1016/j.econlet.2016.07.023
Pierre von Mouche and Federico Quartieri (eds.), Equilibrium Theory for Cournot Oligopolies and Related Games: Essays in Honour of Koji Okuguchi
巻: - ページ: 85-96