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2013 年度 実施状況報告書

社会規範と市場規範の境界に関する研究: 経済実験によるアプローチ

研究課題

研究課題/領域番号 25380234
研究種目

基盤研究(C)

研究機関広島市立大学

研究代表者

高橋 広雅  広島市立大学, 国際学部, 准教授 (80352540)

研究分担者 二村 英夫  広島市立大学, 国際学部, 教授 (00316134)
瀋 俊毅  神戸大学, 経済経営研究所, 准教授 (10432460)
小川 一仁  関西大学, 社会学部, 准教授 (50405487)
研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワードreal effort experiment / intrinsic motivation / fixed pay / incentive pay
研究概要

平成25年度は、作業や労働に対する報酬の支払方法と人の努力の関係を明らかにするための経済実験を行った。実験は、作業内容に関する要因と支払方法がコントロールされた。作業内容についてはそれを行うこと自体に面白さがあるような作業と、それを行うこと自体に面白さがないような単純作業が行われた。また支払方法については5種類の支払方法で実験が行われた。実験は関西大学で平成25年7月に行われ、256名(予備実験を含む)の学部生が被験者として参加した。その結果は、人が従事する作業の性質によって異なるものであった。まず、それを行うこと自体に面白さがあるような作業では、通常の経済学が想定するのと同様の結果が得られた。すなわち、固定給の大きさに努力水準は反応せず、成果給によるインセンティブが大きいほど努力水準は大きくなる。それに対して、それを行うこと自体に面白さがないような単純作業では、通常の経済学が想定するのとは異なる結果が得られた。まず成果給によるインセンティブと努力水準の関係は逆U字型の関係があることが分かった。つまり、ある水準まではインセンティブが大きくなるとそれに応じて努力水準も高まるが、ある水準を超えると逆にインセンティブが大きくなるにつれて、努力水準はかえって低下した。また、固定給の大きさと努力水準の関係は次の通りであった。最初、固定給が小さい間は固定給の大きさと努力水準の大きさには定まった関係はなかった。しかし固定給がある水準を超えると努力水準は低下した。以上の結果は先行研究の結果と必ずしも矛盾するものではないが、これまでの研究では見られなかった傾向を示している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の計画通り、先行研究の収集と整理、予備実験を実施できたため。

今後の研究の推進方策

平成26年度は本実験を行っていく。特に人の損失回避的な性向が信用に基づく行動や意思決定にどのような影響を与えるかを明らかにする経済実験を行う。

次年度の研究費の使用計画

経済実験の実施回数が当初計画よりも少なかったため
平成26年度に追加的な経済実験を行い、そのための支出とする。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2013

すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件)

  • [雑誌論文] A cash effect in ultimatum game experiments2013

    • 著者名/発表者名
      Junyi Shen, Hiromasa Takahashi
    • 雑誌名

      Journal of Socio-Economics

      巻: 47 ページ: 94-102

    • DOI

      10.1016/j.socec.2013.09.005

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 旧百島中学校における芸術活動に関する島民の意識調査から-アートプロジェクトを用いた地域再生の可能性と課題-2013

    • 著者名/発表者名
      金谷信子・瀋俊毅・高橋広雅・中島正博
    • 雑誌名

      広島国際研究

      巻: 19 ページ: 51-56

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Non-Monetary Punishmentに対する互恵性の存在とその影響-繰り返し一方的最後通牒ゲーム実験による検証-2013

    • 著者名/発表者名
      鈴木明宏,伊藤健宏,楊培魯, 小川一仁,高橋広雅,竹本亨
    • 雑誌名

      理論と方法

      巻: 28 ページ: 203-218

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Prediction of photovoltaic and solar water heater diffusion and evaluation of promotion policies on the basis of consumers' choices2013

    • 著者名/発表者名
      Yohei Yamaguchi, Kenju Akai, Junyi Shen, Naoki Fujimura, Yoshiyuki Shimoda, Tatsuyoshi Saijo
    • 雑誌名

      Applied Energy

      巻: 102 ページ: 1148-1159

    • DOI

      10.1016/j.apenergy.2012.06.037

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Trends in HIV/AIDS Awareness among University Students in Japan2013

    • 著者名/発表者名
      Takemi Fujikawa and Kazuhito Ogawa
    • 雑誌名

      Journal of Contemporary Management

      巻: 2 ページ: 21-28

    • 査読あり

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公開日: 2015-05-28  

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