研究課題/領域番号 |
25380242
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研究機関 | 国際大学 |
研究代表者 |
鬼木 甫 国際大学, グローバル・コミュニケーション・センター, 研究員 (40107107)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 経済理論 / 経済政策 / 電波 / 再配分 / 電波価格 / 電波配分 / 電波割当 / 電波オークション |
研究実績の概要 |
(1)本研究の目的は、最近において急速に稀少化した電波資源の利用効率化のため、価格メカニズムによる電波再配分方策を探求することである。本研究代表者は従来研究の中で、電波利用に既得権を持つ既存利用者に、利用中電波ブロックの「供給価格(利用終止時の補償金額)」の表示義務を課す「拡張された市場メカニズム(EMM, extended market mechanism)」を提案した。 本研究では同EMMを強化し、電波資源の稀少化を反映する「周波数価格」の形成について考察するため、第1に多数の利用者が電波ブロックを時分割共有する場合のブロック内価格形成と、外部に対するブロック供給・需要価格の形成について分析する。第2に、先物(事前)オークションによる電波再配分、および既存利用者による電波利用先の移転制度を考察する。この目的のため、論文「周波数オークションについて」(本報告13.研究発表)を発表・刊行し、また「(米国)FCCによる『オープン・インターネット命令(2015年2月)』とインターネット利用価格について」の表題で研究発表をおこなった。 (2)今後においては上記に加え、日本における「電波資源の効率的利用とそのための周波数帯価格の形成」につき、現在の日本で電波資源の市場が存在しないにもかかわらず移動通信(携帯電話、広帯域無線インターネット)の普及によって周波数帯の価値が極度に高くなっている事実を考慮した研究展開のための計画を作成する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
論文「周波数オークションについて」を発表し、その中で本研究事業内容を含め、電波資源の価格形成と周波数オークションに関する内外の事情を記述した。また電波資源の稀少化の主要理由である携帯電話、無線インターネットの普及に関する政策につき、研究発表「(米国)FCCによる『オープン・インターネット命令(2015年2月)』とインターネット利用価格について」をおこなうことができた。
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今後の研究の推進方策 |
(1)本研究自体は3年計画で進めており、最終年度となる次年度においては当初計画に沿って稀少化がさらに進んでいる電波資源の再配分のために「電波利用計画」が果たす役割について分析を進める。また日本においてなるべく早期に電波オークション等市場メカニズムを活用する電波の有効利用方策を実現するため、海外における周波数オークション実施データの収集を継続する。 (2)さらに今後における研究の推進方策として、(9.研究実績の概要(2)に述べたように)「日本における電波資源市場の創成、周波数帯価格の形成、周波数帯オークションの導入」について研究を開始する予定である。
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備考 |
上記は本研究代表者による本事業の研究成果の名称およびWebサイト上のURL。
本研究代表者による研究成果一覧(発表年次別、本事業以外の分を含む)については下記を参照。http://www7b.biglobe.ne.jp/~ieir/jpn/publication/chrono.html#2014
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