研究課題/領域番号 |
25380244
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研究機関 | 龍谷大学 |
研究代表者 |
若山 琢磨 龍谷大学, 経済学部, 准教授 (80448654)
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研究分担者 |
星野 裕二(藤中裕二) 大阪経済大学, 経済学部, 講師 (20552277)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | メカニズムデザイン / 経済理論 / ゲーム理論 / マーケットデザイン |
研究実績の概要 |
(1) 前年度に得た基本モデルの結果について,ボストンカレッジで開催されたThe 12th Meeting of the Society for Social Choice and Welfareにて報告した.タイフン・ソンメツ氏(ボストンカレッジ)とロドリゴ・ベレツ氏(テキサスA&M大学)より,論文の改善に役立つコメントを頂戴し,多くの関連研究者と情報交換を行った. (2) 基本モデルの構造に間接的ドナー交換を加えた「拡張モデル」(Roth, Sonmez, and Unver, 2004, QJE)において,耐事前交換的な腎臓交換メカニズムの設計可能性を考察した.拡張モデルにおいて,ロスらはTTCメカニズムに基づく6つの腎臓交換メカニズムを提案し,効率性と耐戦略性の2つの基準を使って,それぞれのメカニズムの良し悪しを評価した.効率性と耐戦略性だけでは6つの腎臓交換メカニズムの中で一番良いものを決めることはできていないが,その2つの基準に耐事前交換性を加えれば,3つの基準すべてを満たす最も優れたメカニズムがただ一つだけ存在することが今年度の研究からわかった. (3) 本研究課題と関連するメカニズムデザイン研究の論文2本を査読付き国際的学術雑誌に公刊した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
拡張モデルにおいて,耐事前交換的な腎臓交換メカニズムを明らかにする分析をほぼ終え,論文をまとめる段階に入ることができたため.
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今後の研究の推進方策 |
2015年度は本研究課題の最終年度となるため,これまで得たさまざまな結果を整理し,論文を完成させることに注力する.また,メカニズムの性能を経済実験で検証するための準備に着手するとともに,物理的制約でドナーの交換数に制限があるモデルや各患者が複数のドナー(配偶者や兄弟など)を持つモデルでの理論的考察も開始したい.
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次年度使用額が生じた理由 |
天候の理由により,2014年10月に開催された日本経済学会2015年度秋季大会およびDCコンファレンスの参加を取り止めたことで,当初計上していた旅費経費に若干の繰り越しが生じたため.
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次年度使用額の使用計画 |
2015年度は,学会やセミナーなどに参加・報告するための旅費,英文校閲費,および関連図書の購入費などに使用する予定である.
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