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2014 年度 実施状況報告書

経済学説史におけるフェミニズムの理論領域の可能性についての研究

研究課題

研究課題/領域番号 25380254
研究機関武蔵大学

研究代表者

舩木 恵子  武蔵大学, 総合研究所, 研究員 (00409369)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワードH.マーテイーノウ / 例解・経済学 / リプロダクティヴ・ライツ/ヘルス / 女性と経済学
研究実績の概要

1.平成26年5月、経済学史学会第78回全国大会の 共通論題セッション「女性と経済学」において、第一報告者(年代順に報告)として、19世紀の古典派経済学と女性問題との関係をJ.S.ミルの『経済学原理』の賃金論から分析をおこなった。本研究の目的である経済学説とフェミニズムやジェンダーとの関係を明確にするという目的は、ミルの女性賃金論の中に1994年カイロで開催された国際人口・開発会議で宣言され、その後広がった女性の権利宣言「リプロダクティヴ・ヘルス/ライツ」と同意の主張があることを指摘し、そもそも途上国人口問題から発生した当概念が、19世紀のミル『経済学原理』の賃金論と深く結びついていることの重要性を主張した。なお「女性と経済学」に関して、学会論集への投稿依頼を受けており、現在準備中である。
2.7月、英国のマーティーノゥ・ソサエティの第20回コンファランス(リバプールにて開催)にて、"Harriet Martineau’s Illustration of Political Economy: Her style of writing on political economy"を報告した。ハリエット・マーティーノゥの『例解・経済学』の25話の最終章を分析し、彼女の経済思想とジェームズ・ミルの『経済学綱要』との比較をおこない、彼女の経済思想の特徴である「経済学の一般への普及」は彼女自身のものであり、ジェームズ・ミルから受け入れたものではないことを主張した。
なお、当報告内容における論文は、マーティーノゥ・ソサエティのニューズレターに掲載された。(英国)The Martineau Society Newsletter.No.36(pp.19-27総p.36)

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

経済学説とそこに暗黙に含まれるフェミニズム・ジェンダーの分析は、奇しくも本年度の経済学史学会の共通論題「女性と経済学」に内包される課題だった。第一報告者に選ばれ、大会報告できたことは、受容した批判も含めて、本研究課題を大きく促進させた。また論集への投稿依頼を受けたことも成果形成において有意義である。今後の研究成果にとって非常に良かった。
英国、マーティーノゥ・ソサエティのコンファランスでの報告は、おりしも今回が20回大会という節目であり、英・米の文学、歴史、ユニテリアン、哲学などのハリエット・マーティーノゥの研究者の有志が、共著を出版する予定である。本報告をした結果、ハリエット・マーティーノゥの経済学の分野で欧米研究者と共同執筆を依頼された。このことは次年度への大きな課題ではあるが、現在本研究課題を促進させる要因となっている。

今後の研究の推進方策

1.『経済学史研究』58巻1号への投稿(今年中に提出)
2. ハリエット・マーティーノゥの著作The Rioters の翻訳(前半部分は武蔵大学総合研究所紀要24号に掲載予定となっている。現在第2校が終了している。翻訳は紙面の都合で66頁までしか掲載できない)。後半部分は、別途発表予定だが、全体あわせての発表ができるように調整中。
3. マーティーノゥ・ソサエティ コンファランス(7月ノリッチ)にて、報告The Rioters and Manchester Strike.
4. ハリエット・マーティーノゥの初期の著作The Turn Outを大英図書館で文献調査する予定。
5.具体的に H.マーティーノゥとマンチェスター学派との関係を調査、分析する。
以上の5つの項目について、今後全力を挙げて取り組み、成果を挙げたいと考えている。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2015 2014

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Harriet Martineau’s Illustration of Political Economy: Her style of writing on political economy2015

    • 著者名/発表者名
      Kieko Funaki
    • 雑誌名

      The Martineau Society Newsletter

      巻: 36 ページ: 19-27

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Harriet Martineau’s Illustration of Political Economy: Her style on political economy2014

    • 著者名/発表者名
      Kieko Funaki
    • 雑誌名

      『武蔵大学総合研究所紀要』

      巻: 23 ページ: 29-38

    • オープンアクセス
  • [学会発表] Harriet Martineau’s Illustration of Political Economy: Her style of writing on political economy2014

    • 著者名/発表者名
      Keiko Funaki
    • 学会等名
      The Martineau Society
    • 発表場所
      Liverpool Alicia Hotel, UK.
    • 年月日
      2014-07-21 – 2014-07-24
  • [学会発表] 共通論題:「女性と経済学」2014

    • 著者名/発表者名
      舩木惠子・生垣琴絵・松野尾裕・原伸子
    • 学会等名
      経済学史学会
    • 発表場所
      立教大学
    • 年月日
      2014-05-24 – 2014-05-25

URL: 

公開日: 2016-05-27  

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