研究課題/領域番号 |
25380256
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
川口 浩 早稲田大学, 政治経済学術院, 教授 (90186073)
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研究分担者 |
石井 寿美世 大東文化大学, 経済学部, 講師 (00348830)
武藤 秀太郎 新潟大学, 人文社会・教育科学系, 准教授 (10612913)
グラムリヒ・オカ ベティーナ 上智大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (60573417)
竹村 英二 国士舘大学, 公私立大学の部局等, 教授 (80319889)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 日本 / 経済思想 / 経済史 / 歴史 / 国際比較 / 国際研究者交流 |
研究概要 |
本研究は「日本の経済思想:時間と空間の中で」をテーマとする国際共同研究である。 平成25年度の活動は、24年度末に開催した「日本の経済思想―近世・近代における経済思想の連続・非連続―」をテーマとする「国際研究集会」(於国士舘大学)の続編を5月25日、早稲田大学において実施することから始まった。この二回の国際研究集会では、経済思想史の方法という従来余り正面から検討されることのなかった問題が取り上げられ、活発な議論が行われた。この討議の模様は、<http://www.waseda-pse.jp/ircpea/jp/publish/cat/> に電子版の形で公開されている。 次に、二ヶ月後の7月13日、大東文化大学信濃町キャンパスにおいて、石井寿美世(大東文化大学)の「家訓に見る醤油醸造業者の経済思想―下総国上花輪村・高梨兵左衛門家を事例として―」と題する研究報告があった。これは地方企業家の経済思想に関する研究である。続いて、9月17日、大東文化大学において、川口浩(早稲田大学)が「日本経済思想史研究の方法と課題―3月7日と5月25日の「全体討論」をふまえて―」と題して、上記国際研究集会の内容に関する総括的報告を行い、問題の所在について参加者の認識を深めることができた。最後は、11月9日、早稲田大学において、川口浩が「貨幣論の思想的位置―新井白石と荻生徂徠の場合―」の報告を行った。 平成25年度は三年計画の初年であるが、おおよそ所期の目標を達成したものと思われる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成25年度、日本の経済思想を長い時間と広い空間の中で相対化し、その特性を把握しようとする試みにとっては、まず年度初めの国際研究集会が重要な企てであった。特に、本研究プロジェクト構成員以外の、異分野の、学界の中枢に立つ研究者を招聘し、貴重な問題提起を受けることができたことは特筆に値しよう。また、外国人研究者の発言は、日本人にとっては常識と思われる見解・発想の再検討を促す刺激的なものであった。もともと本研究プロジェクトの構成員は日本・中国・アメリカ・ヨーロッパに在住しており、今後もこれらの学問的交流を進めていきたい。 その後の通常の研究会では、各メンバーが現在進めている研究の概要が報告され、各自の研究との相互関係が浮き彫りになりつつある。 一年間の活動を通して、一定程度の進捗があったものと認められる。
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今後の研究の推進方策 |
今後の進め方は、基本的には現在までの延長線上にあり、第一には、国内における研究会の開催が主となる。その際、本研究プロジェクト構成員以外の、特に若手の研究者を招聘し、最新の研究動向を吸収することに努めたい。 また、構成員が日本国外にも在住しているため、日常的に接触することが難しいことがある。この難点を克服することが一つの課題であり、平成26年中に全員が一堂に会する機会を設ける計画である。
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次年度の研究費の使用計画 |
2013年度において残高が生じた主な理由は、海外在住者の助成金支出がなかったためである。また、国内在住者も次年度の旅費を考慮して支出を控える傾向にあった。 2014年度は、夏季にドイツのボンで研究集会を開催する。助成金の大半はこれに充当する予定である。
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