本研究は、社会改革家として、社会調査家として高名なビアトリス・ポッター・ウェッブの生涯に渡る経済学と福祉経済の研究を、社会経済学として理論的、実証的に位置づけて評価した。それは、ビアトリスの、フェミニズムを導入した福祉国家論と社会経済学(ビアトリスの若い時の表現では「社会学的経済学」)とを基軸として構成される福祉経済学の理論体系の形成過程を把握し構成し、社会経済学的意義を評価することである。 ビアトリスは、経済学研究を「社会学的経済学」の把握から始めて、集合主義・制度主義に至り、政策論と福祉国家論を通じて、社会科学的な社会経済学に至ったのである。
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