研究課題/領域番号 |
25380265
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
椎名 洋 信州大学, 学術研究院社会科学系, 教授 (80242709)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 情報幾何 / ダイバージェンス / 接続 / 第二基本形式 |
研究実績の概要 |
1)正規分布の分散共分散行列のつくるリーマン多様体に関する考察を行ってきたが、それらについて25年度中に得られた成果をさらにブラッシュアップさせて論文発表の準備を行った。その結果、下記の論文が平成26年度7月に公刊された。 "Inference on the eigenvalues of the covariance matrix of a multivariate normal distribution - geometrical view-", Journal of Statistical Planning and Inference vol.150, pp.66-83. 2)パラメトリックな分布間の距離をalpha-divergenceを使って測り、ターゲットとなる分布の近傍での漸近展開を行い、それを幾何学的な視点で分析する。このテーマに関して、具体的な成果が得られた。具体的には、三次までの展開の各項に関して、フィッシャー情報計量、alpha接続、第二基本形式による表現が得られた。これらを以下の三つの具体的な統計問題に関して応用することに関してもある程度の成果が得られた。1)条件付き分布における、条件側の分布の収束、2)拡張された指数分布の指数分布への収束、3)最大尤度推定量の分布の大標本における収束。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
26年度は、基礎的な文献の収集とその理解、それらを使った何らかの理論的な成果、ならびにその発表を予定していたが、一つのテーマ(「正規分布の分散共分散行列のつくるリーマン多様体に関する考察」)に関して論文が公刊され、もう一つのテーマ(「パラメトリックな分布間の距離をalpha-divergenceを使って測り、ターゲットとなる分布の近傍での漸近展開を行い、それを幾何学的な視点で分析する。」)に関しては具体的な成果が得られた。
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今後の研究の推進方策 |
当初の計画通り、1)引き続き、基本的な文献の収集と理解を続ける、2)一つのテーマ(「パラメトリックな分布間の距離をalpha-divergenceを使って測り、ターゲットとなる分布の近傍での漸近展開を行い、それを幾何学的な視点で分析する。」)に関して得られた成果を論文にする、あるいは学界で発表する準備をすすめる、3)第三のテーマとして考察中の問題(「離散分布の情報幾何学的な扱い」)に関して、何らかの成果が得られるように努力する。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初計画で見込んだよりも、安価で研究が遂行できたため、次年度使用額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
今年度予算とあわせて、物品の購入、または旅費に使用する予定。
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