研究実績の概要 |
まず、資産価格確率ボラティリティ(SV)モデルのパラメータの推定のGMM推定における日中季節性除去の効果の分析を継続した。具体的には、[1]のカーネル法による瞬間ボラティリティのパスの推定、日次実現測度を単純な実現分散ではなく[2]の実現bipower preaverage estimator (累積分散推定量として価格ジャンプとミクロ構造ノイズに対して頑健)とするGMM推定等を行い、それらのモデル推定精度やデータへの適合度向上効果をモンテカルロ実験及びS&P500株価指数データの実証分析で確認、結果を学会で発表した(学会発表欄に記載の2件)。なお、SVモデルとしてGARCH拡散過程モデルを用いる分析も進めた。さらに、各日の日中瞬間ボラティリティのパスをひとつの関数の実現観測値とする自己回帰関数モデルを推定し、日次パスの依存性を確認した。なお、本課題に関連する資産価格ボラティリティ時系列分析の研究の成果を論文としてまとめ発表した(雑誌論文欄に記載の2件)。 参考文献 [1] Kristensen,D., 2010, Nonparametric filtering of the realized spot volatility: A kernel-based approach. Econometric Theory 26, 60-93. [2] Podolskij,M., Vetter,M., 2009, Estimation of volatility functionals in the simultaneous presence of microstructure noise and jumps, Bernoulli 15, 634-658. [3] Bosq,D., 2000, Linear Processes in Function Spaces. Springer.
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