研究課題/領域番号 |
25380270
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
宮川 幸三 慶應義塾大学, 産業研究所, 准教授 (00317281)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 観光統計 / GIS / 地域TSA / 産業連関表 / 国民経済計算 |
研究実績の概要 |
今年度は、2014年度に入手した「観光地域経済調査」および「経済センサス活動調査」の観光関連事業所個票データ、および地域の観光売上に影響を与えるような観光地点や鉄道駅、宿泊施設の立地データ(緯度、経度等)に基づいて、地域の観光売上額の推定実験を行った。具体的には、地図情報を用いない推定方法4種類と地図情報を用いた推定方法2種類の合計6種類について、それぞれ1万回ずつ地域観光売上額の推定実験を行い、結果として、地図情報を利用する2つの方法の推定精度が他の手法に比較して大幅に高まることを明らかにしている。この分析の成果を、OECDおよびEurostat等が主催する観光統計に関する国際会議 "12th Global Forum on Tourism Statistics" (URL: http://www.tsf2014prague.cz/)において発表した。また法政大学日本統計研究所の『研究所報』に論文を掲載している。 この他に、最終的な目的である地域TSAの作成に向けて、アジア各国のTSA作成状況に関する調査および情報収集を行った。結果としては、作成に際して宿泊旅行統計や産業連関表などを独自の方法で活用している国があること、また観光政策立案や将来のシミュレーションにもTSAを活用している国があることなども明らかとなった。これらの結果を、奈良で開催された国連世界観光機関主催の"UNWTO Special Workshop on Tourism Statistics"において発表した。(URL: http://www2.unwto.org/event/unwto-special-workshop-tourism-statistics)ここで明らかとなったTSAの推計手法や活用事例に基づき、2015年度および2016年度に地域TSAの作成および分析を行うことになる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初は、「観光地域経済調査」を用いた分析を行うことまでが2014年度の計画となっていたが、それに加えてTSAの作成手法に関する調査まで行うことができたため。
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今後の研究の推進方策 |
当初の計画通り、2014年度の成果として得られた地図情報に基づく新たな推定手法を用いて、2015年度には実際の地域観光売上額の推定を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
海外で開催される国際会議への参加を予定していたが、国際会議が奈良で開催されたため、予定していた旅費が余ることになった。またPCの購入を予定していたが、2015年度より研究代表者の宮川が所属組織を変更することになり、2015年度初めに購入することとしたため。
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次年度使用額の使用計画 |
2015年度中に海外で開催される学会等に参加する予定である。またPCを購入する予定である。
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