本研究では、実現ボラティリティを多変量に拡張した「実現共分散」を扱った。本研究の成果は、以下のように4つの論文にまとめることができた。 ① Gourieroux (2006)の連続時間ウィッシャート自己回帰モデルを拡張し、非対称性を取り入れたモデルを分析した。② 同モデルを拡張し、長期記憶性を取り入れたモデルを分析した。③ 実現共分散の離散時間モデルとして、長期記憶性・非対称性・動的相関関数行列の特性を取り入れたモデルをさまざま考案し、比較分析をおこなった。④ 上記の研究③の予備的な研究として、相関係数行列について、行列版指数変換・対数変換を用いてモデル化し長期記憶性や非対称性を取り込んだ。
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