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2015 年度 実績報告書

若年及び中高年無業者の社会的孤立とその対策に関する経済分析

研究課題

研究課題/領域番号 25380280
研究機関東京大学

研究代表者

玄田 有史  東京大学, 社会科学研究所, 教授 (90245366)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワード孤立無業 / 社会的孤立 / 社会的排除 / 若年無業 / ニート / 社会的ひきこもり
研究実績の概要

本研究は、ふだんずっと一人でいるか家族とのみ交流を持つ無業者(20~59歳、学卒、未婚)として定義される「孤立無業(Solitary Non-Employed Persons: SNEP)」を実証分析した。そこでは他者との交流を一切持たない「社会的孤立」の無業状況に着目し、働きざかりの年齢であるにもかかわらず無業状態にある未婚者が急増している背景とその影響を明らかにすることを目的とした。
総務省統計局「社会生活基本調査」の特別集計および独自に実施したアンケート調査の分析を通じて、(1)孤立無業者が2000年代を通じて急増していること、(2)性別、年齢、学歴などを問わず、無業者が孤立化する傾向が強まっていること、(3)孤立無業者はそうでない無業者に比べて求職活動を行わず、ニート(若年無業)になりやすい傾向があること、(4)孤立無業者はインターネットの活用にそれほど積極的とはいえないことなどが発見された。
これらの研究成果は、社会的孤立および社会的排除とよばれる現象を、客観的・数量的な事実として、はじめて具体的に描き出したものである。2000年代以降注目されるようになった「社会的ひきこもり」に関しても、孤立無業の検討を通じて政策的な検討を行うことが可能となった。2010年代になってからは、若年のひきこもりに加え、中高年のひきこもりにも社会的関心が集まっており、ここでの研究成果は、メディアなどでもしばしば引用された。
研究結果は書籍や学術論文を通じて刊行された他、最終年度に英語での学術著作の刊行が決定した。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2015 その他

すべて 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] 若者にかかる地方の未来2015

    • 著者名/発表者名
      玄田有史
    • 雑誌名

      土地総合研究

      巻: 23 ページ: 34-42

  • [雑誌論文] <居場所>そして<持ち場>-高齢化と人口減の町で考えた2015

    • 著者名/発表者名
      玄田有史
    • 雑誌名

      総合人間学

      巻: 9 ページ: 10-20

  • [雑誌論文] 「第二次ベビーブーム世代」への反省を能力開発の機会見直しに2015

    • 著者名/発表者名
      玄田有史
    • 雑誌名

      オムニ・マネジメント

      巻: 8 ページ: 2-5

  • [雑誌論文] The Japanese labour market during the global financial crisis and the role of non-standard work: A micro perspective2015

    • 著者名/発表者名
      A. Hijzen, R. Kambayashi, H.Teruyama, and Y.Genda
    • 雑誌名

      Journal of the Japanese and International Economies

      巻: 38 ページ: 260-281

    • DOI

      doi:10.1016/j.jjie.2015.09.003

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [備考] 東京大学社会科学研究所研究スタッフ

    • URL

      http://jww.iss.u-tokyo.ac.jp/mystaff/genda.html

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公開日: 2017-01-06  

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