独立以降1980年代までの韓国の生活政策について、当時の行政資料・統計の精査によって、朝鮮戦争以来「救護行政」という枠組みで展開されていた実態を初めて解明した。即ち、朴正煕政権による「救護行政」の再編確立は、時代制約を受けつつも一定の体系性を持つ近代的生活政策の起点であったが、以来1990年代までこの枠組みが維持された要因と政策状況を政治経済学的に論じた。成果として、4本の論文を『信州大学経済学論集』に発表し、これらに描き下ろし論文等を加えた学位論文をベースとする単著『韓国・社会保障の形成:「反共・軍事国家」から「福祉・民主国家」へ』(新幹社、近刊)とその韓国語版(2017年)が上梓される。
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