本研究の目的は、日韓農産物の競争力を明らかにして、日韓FTAによる市場開放へのインプリケーションを示すことにある。競争力分析の内容は、日韓の関税比較、韓国の輸入規制、保護貿易水準PSEの日韓比較、貿易特化指数 TSIと顕示比較優位指数 RCA による分析である。先ず、保護水準の分析により日韓の保護水準には大差ないことを示した。次に、TSIとRCA分析では、品目別にみると、日本の競争力がより高い農産物があり、両国の競争力格差も、徐々に縮小していることを示した。このような条件下では、農業分野の問題は、もはや日韓FTA交渉の制約要因とはならないことが判明した。
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