情報が不完全な国際金融資本市場において、均衡実質利子率が低下するようなショックに対する金融政策の効果について、単純な理論モデルとシミュレーションにより分析した。その結果、物価安定と国際間の資本の最適配分の間に相克が生じる恐れがあること、一定条件下で引き締め気味の金融政策が最適になり得ることが示された。この成果は長崎大学経済学部100周年記念論文集に収められている。 また、金融政策における物価安定指標の最適性について分析した。その結果、一般物価指数や刈り込み平均指数などに比べて、ニュー・ケインジアン・モデルに基づく粘着価格指数が予測性において優れていることが示された。
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