研究課題/領域番号 |
25380312
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 兵庫県立大学 |
研究代表者 |
西山 博幸 兵庫県立大学, 経済学部, 教授 (00309345)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 東アジア / 経済統合 / 国際貿易・投資 / 異質性 |
研究概要 |
本研究の目的は、東アジア地域統合の障害となっている経済・制度面における異質性や当該地域特有の複雑な国際分業体制を前提としつつ、地域統合の進展が地域内経済格差の収斂と全体の成長とを両立させ得るのかについて理論的・実証的見地から考察を加えることである。 初年度の平成25年度は、世界の地域統合の流れと東アジア地域経済連関の実態、域内各国経済状況に関する情報収集を行った。貿易・投資を中心とした統計データ、日本企業の海外進出動向に関する情報収集を行い、学部ゼミ学生の協力のもとで簡易なデータベースの形にまとめた。 特に制度面における異質性の導入研究として、基礎理論モデルの構築も先取りして行った。「Firm heterogeneity and location pattern on Japanese multinationals」は、日本企業の異質性と海外進出形態の関連についての理論・実証研究の結果を発表したものである。また異質性の存在を前提とし、為替レート変動による産業内資源配分への影響を考察した「The effect of exchange rate fluctuation on intra-industry reallocation in a firm heterogeneity model with trade and foreign direct investment」は海外ジャーナルに投稿、さらにこの研究成果をもとに、Korea International Economic Associationなどでの研究報告(招待講演)も行った。 上記作業と並行して、文献サーベイや現地視察も行った。本年度は、日本企業の新たな進出先として注目されつつあるベトナムを訪問し、現地視察を行うとともに、JETROホーチミンの協力のもと様々な情報を入手した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
東アジア経済に関する基礎データの収集・整理に関しては、ほぼ計画どおりに進んでいる。理論研究に関しては計画を前倒しして進めているが、一方で現地調査にやや不十分さが残った(ベトナムのみの訪問にとどまった)ため、上記の評価とした。
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今後の研究の推進方策 |
当初の予定通り、平成26年度は、25年度に行った基礎調査を土台に実態調査・文献研究をさらに進展させる。加えて昨年度には十分に行えなかった海外視察および国内企業のヒアリングを充実させる。これらの調査結果を反映させる形で、貿易・投資・フラグメンテーションを組み込んだモデルを開発、地域統合の進展による域内外経済への影響について理論的検証を加える。以上は事前の研究計画に沿ったスケジュールであり、大きな計画変更の予定はない。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成25年度購入予定であったノートPCの購入が、平成26年度にずれ込んだため。 前年度に未処理であったノートPCの購入を行う。加えて当初の予定通り、主に国内外の調査関連費用、英文校正・論文投稿費用、図書・資料購入費用などに用いる。
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