本研究は、経済連携協定(EPA)に基づいた、看護・介護分野における外国人労働者(候補者)受入れが、日本およびインドネシアやフィリピンなどの送出国にどのようなインパクトを与えるかに関し、理論的・実証的研究を行おうとするものである。そのため、次の4つの段階に分けた研究スケジュールに基づいて実施している。(第1段階)文献サーベイ、関係者ヒヤリング等を通じての定式化事実(stylized facts)抽出、および本格的な研究の基礎となるデータベースの構築、(第2段階)内外の研究者・実務家と討議をしながらの予備的仮説形成およびそれに対する暫定的検証、(第3段階)CGEモデルを構築しての総合的な理論的・実証的分析、(第4段階)研究成果のまとめと普及、政策提言。 当初の研究期間は平成25年度ー27年度の3年間であったが、予定していた海外での学会発表が翌年度になったこと、分析結果をより精緻かつ現実への応用性の高い論文としてまとめることなどの必要性のため、延長して28年度も引き続き研究を行った。さらに、分析結果を内外に広く発信し社会貢献にも努めた。具体的には、平成28年10月ワシントンで開催された学会(International Atlantic Economic Association)で論文を発表するとともに、衆議院法務委員会、自由民主党国家戦略会議、日本労働組合総連合会などで、研究成果に基づいた発表を行った。
|