研究実績の概要 |
昨年度までに引き続いて, 貯蔵不可能な財の市場における価格変動を中心に分析を行ってきた. まず, Shipping freight rateを対象とする分析については, 2017IAMEにおける報告およびMaritime Policy & Managementにおける論文採択という形で研究成果を発表した. Maritime Policy & Managementに採択された論文では, 過年度に発表した研究Tezuka, Ishii and Ishizaka(2012)を基に, shipping freight marketのスポット価格とforward freight agreement(FFA)価格等を用いて市場参加社全体のリスクへの態度を計測した. そして, その計測されたリスクへの態度とトウモロコシ, 小麦, 大豆などの先物価格の関係が明らかにされた. 次に, 電力取引市場の価格変動を対象とする分析については, 35th USAEE North American Conferenceにて研究報告を行った. 本報告では, 発電企業の限界費用関数が1次関数の場合と指数関数の場合という比較, および, 需要の不確実変動を生成する確率変数が一様分布, 指数分布, 正規分布という3ケースの比較の結果を報告した. なお, 発電企業の限界費用関数が1次関数の場合かつ需要の不確実変動を生成する確率変数が正規分布の場合について論文としてまとめた. この論文に関しては現時点では海外の学術誌において採択に至っていない. 貯蔵不可能な財を供給する産業への規制と株式市場の反応の関係を電力産業の制度改革を対象として分析した. その成果を40th IAEE International Conferenceで報告した.
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