日本の市町村レベルのパネルデータを使い、主要21作物を対象に、作物別生産性関数、及び、土地利用関数を推計し、温暖化が作物別土地生産性、作物への転換に及ぼす影響を分析した。その結果、1~2℃の気温上昇により、北海道では、米、小麦、きゅうり、なす、トマト、ピーマン、みかん、ぶどうの生産性が上昇する一方、それ以外(かんしょ、だいこん、にんじんなど)の生産性は低下し、関西地方以西では、すべての作物の生産性が低下することが分かった。土地利用については、冷涼な気候を好むいちご、りんご、はくさい、ほうれんそう、キャベツなどが、比較的温暖な気候に強い米やきゅうり、みかんなどの品目に転換する可能性が示唆された。
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