研究課題/領域番号 |
25380327
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
松井 範惇 帝京大学, 経済学部, 教授 (50278438)
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研究分担者 |
坪井 ひろみ 秋田大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (10398000)
池本 幸生 東京大学, 東洋文化研究所, 教授 (20222911)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | ソーシャルビジネス / 人間開発 / マイクロクレジット / グラミン銀行 / 有機農業 / フェアトレード / 地域通貨 |
研究概要 |
研究会を3回実施(6月29-30日、11月28日、1月27日)し、研究、調査を進めた。松井と池本はバングラデシュに出張し(7月3-8日)ダッカ大学、グラミン銀行、グラミンシャクテイを訪問し、調査について打ち合わせを行った。坪井はスペインへ出張をし(12月7-14日)現地のマイクロクレジット担当者との打ち合わせと、マドリッドでの受益者からの聞き取り調査を行った。 グラミンシャクテイとの協力のもとに、未電化地域の農村における家計と商店の、太陽光発電の影響調査について、その調査票の設計をおこなった。3地域の家計と商店のそれぞれ60サンプルを、太陽光発電の導入済世帯と、未導入世帯への聞き取りをするという調査方針を固めた。これについては、11-12月に実施する予定であったが、バングラデシュでの総選挙のため、調査実施は困難となり、3-4月に実施している。 連帯経済(Solidarity Economy)という切り口から、さまざまなソーシャルビジネスを人間開発に役立てる仕組み、新しい経済の在り方と捉え、総合的にそれらの体系的把握と整理を行っている。ヨーグルト、水、有機農業、コーヒーのフェアトレード、地域通貨、などを含むソーシャルビジネスの統一的な理解を提示し、統合的な研究を目指しており、着々と進めている。これは、研究の原稿が集まっており、英文書出版に向けて進んでいる。Springer社の編集者との話し合いも進んでおり、順調に進めば出版のはこびとなる予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
スペインの調査は、担当機関への資金提供が大幅に遅れたため、本格的な実施に遅れが生じた。しかし、最近になって資金が予算化され、マイクロクレジット活動の再開が約束されたため、2014年にはもう少し詳細な調査、研究が見込まれる。 バングラデシュの太陽光発電による影響調査(Impact Study of SHS)は、バングラデシュの総選挙による不安定のため、遅れが生じた。しかし、2014年4月段階では各地とも不安定要因はなくなり、アンケート調査を進めている。十分なサンプル数が取れるかどうかの不安は残っている。
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今後の研究の推進方策 |
スペインとバングラデシュの調査を進め、比較可能な形での調査結果を得ることとしたい。本研究における目的である、ソーシャルビジネスのさまざまな形の、人間開発への効果、影響、そして、現在グローバリゼーションの進む世界経済の中で、貧困削減、農村開発、人間のための意義ある発展に、これらがどこまで貢献できるかを検証したい。 理論的考察と実証的分析を組み合わせ、新しい視野からの研究成果としたい。英文書刊行のあとは、日本語での出版も視野に入れて本研究を進めている。
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次年度の研究費の使用計画 |
バングラデシュの調査実施が遅れたため。 26年度では、バングラデシュにおける太陽光発電の影響調査を実施し、分析を進める計画である。また、研究報告の出版のために、校閲、監修の費用を見込んでいる。
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