研究実績の概要 |
ソーシャル・ビジネスのさまざまな活用で、人々のケイパビリテイの開発を考察する本研究では、バングラデシュとスペインとの比較を中心におき、韓国や日本、フェアトレードや地域通貨、も視野に入れ研究を行った。人間の本来持つ生きる力をフルに発揮することの出来る社会の構築のため、貧困削減などの社会的課題の解決に向けて、市場機構の欠点を補完し、ソーシャル・ビジネスの可能性を最大限有効的に活用するための研究である。マイクロクレジット等のこれまでの実践の成果を概観し、さまざまな形のソーシャル・ビジネスの有効性を検討した。 研究会を持ち議論を深め、2015年9月、松井と池本はスペインへの出張を行った。 最終年度の今年度では、以下の成果を発表した。 1。国際開発学会全国大会論文発表:松井、その他「バングラデシュ農村における太陽光発電システムの効果と影響分析」新潟大学、2015年11月29日、2。Matsui & Ikemoto (eds), Solidarity Economy and Social Business: New Models for a New Society, Springer; Tokyo, 108pp. 2015、3。池本幸生&松井範惇(共編著)『連帯経済とソーシャル・ビジネス:貧困削減、富の再配分のためのケイパビリテイ・アプローチ』明石書店、2015年4月10日、221Pp、4。坪井ひろみ著『進化するグラミン銀行:ソーシャル・ビジネスの躍動』秋田魁新報社、130Pp, 2016年3月12日 ソーシャル・ビジネスのさまざまな形での有効性は、一般的に確認された。マイクロクレジットなど市場の欠陥を補完し、人々の連帯を促進する社会のシステムの構築が重要であることが理解された。これからの更なる研究課題は、今後の研究とする。
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