本研究の目的あるいは目標は介護保険制度導入によって確立されたわが国の介護サービス産業について、その雇用創出効果に着目し、地域雇用に活かす方法を研究することであった。研究の結果、その雇用創出効果は極めて大きく、全国レベルで平成23年度の約96万人から平成52年度には183万人と倍増することを明らかにした。しかし、今後の若年労働人口の減少を考える場合に、むしろ介護職員の供給不足が起こりうることが問題となる。そこで、本研究では、有料有償制ボランティアを含むボランティアを介護予防事業に取り入れる地域包括ケアシステムの概念の有用性を確かめるための理論分析を行い、同システムが構築可能であることを示した。
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