本研究課題最終年度であった平成29年度において、予定していた国際学会報告を学内業務のために取りやめになったことにより、1年の延長措置をとることになった。 延長となった平成30年度には、本研究課題から派生した論文 "Pricing and Diffusion of Durables with Network Externalities" を完成させ、ワーキングペーパーとして公刊(2018年4月)し、それを2件の国際学会にて報告した。その後、大幅な改訂を行い2018年11月に "Heterogeneous Consumer Expectations and Monopoly Pricing for Durables with Network Externalities" と改題し改訂した上で2018年11月にワーキングペーパーとして公刊した。 この論文は、ネットワーク耐久財に対して異なる期待(普及経路の予想)をもつ2種類の異質な消費者が存在するもとでの独占企業の最適な価格・普及戦略を考察するものである。この研究は、本研究課題である情報政策が異質な消費者に異なる影響をもたらすという理論的設定を応用したものであり、本研究課題を遂行する上で派生的に生まれたものである。現在、この論文は国際査読雑誌に投稿され、審査中である。 また、前年より引き続き"Optimal Trade Policy under Endogenous Sequence of Firms’ Price and Quantity Choices"と名付けられた企業の戦略手番が内生的に決まるようなもとでの最適な貿易政策を論じた研究の改訂を行った。この研究は、本研究課題終了後にも引き続き国際査読雑誌への掲載を目指し、改訂を続けるものである。
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