本研究ではマレーシア経済を中心に、東アジアや世界の中進国を比較しながら、財別の国際競争力の推移を貿易データから分析し、産業レベル・企業レベルのデータと組み合わせることで、「中進国の罠」が発生するメカニズムを明らかにし、適切な政策提言を可能にすることを目的とする。純輸出比率(NXR)と所得水準の関係を経済成長が順調な国と停滞している国に分けて行った結果、経済成長が順調な国では輸出財が消費財から資本財へと所得水準の上昇とともに移行するのに対し、経済成長が停滞した国では高所得段階まで一次産品が輸出財であり続けていることが明らかになった。
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