研究課題/領域番号 |
25380353
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 中央大学 |
研究代表者 |
江口 匡太 中央大学, 商学部, 教授 (50302675)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 選挙 / 衆議院 / 小選挙区 / 中選挙区 / 利益誘導 / 東京 |
研究概要 |
本研究はまず選挙制度の変化がどのように政治家の行動に影響を与えたのかについて、選挙公報を通して実証的に分析することを目的とする。そして、その行動変化を踏まえた理論分析を行い、望ましい選挙制度と政治システムのあり方を考察するものである。 この目的にそって、平成25年度は、1979年の第35回から2012年の第46回までの12回にわたる衆議院選挙の東京都選挙区のコード化を進め、データ分析の方向性を探った。前半と後半の6回ずつがぞれぞれ中選挙区制と小選挙区制で行われたものである。この分析によって、制度変化の前後の比較が同じ地域において可能となるためである。重視する情報として、候補者の所属政党、年齢、学歴といった個人の属性に関するものから、(1)政策アピール、(2)地元アピール、(3)名前アピールに主に注目した。 現状までのデータによって、簡単な分析を行った。まず、所属政党を中心に4グループに分類した:1)自民党、2)公明党、3)共産党、4)その他、である。その他には民主党をはじめとした、公明、共産両党を除いたすべてが含まれる。これらの4グループでは、自民党の候補者に地元志向の政策をアピールする傾向があることなどが見受けられた。この他にも、名前のアピールが有力候補か否かで異なるか、国政に関するメッセージが当選経験で差がみられるかなど、今後の分析の方向性を探った。 これと並行して、これまでの学術論文など文献狩猟も行なうなど、本研究の基盤となる作業を中心に行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
選挙公報のコード化は時間がかかると予測していたが、比較的順調にデータの整備作業ができたと思われる。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、データ分析を一層進める予定である。 また、これまでの簡単な分析の結果、データ処理について気付いたことがあった。選挙公報は定性的なものであるため、どうしてもメッセージの解析に時間がかることと、曖昧さが避けにくいこととがある。そのため、エラーを可能な限り小さくするため、選挙公報のメッセージをデジタル化し、精度の高い処理が今後の研究の発展という点から重要であるという結論に至った。 そこで、OCR(光学文字認識)処理を進めるため、スキャナーとOCRソフトを購入し、現在作業継続中である。
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次年度の研究費の使用計画 |
当該年度の予算を使い切るよりも、研究計画の遂行は3年全体で行う予定であり、確実な遂行を優先したため、次年度使用額が生じた。しかし、金額は当該年度交付額の直接経費の3%ほどであり、予算の執行はほぼ計画通り行われた。 4万円余りという金額のため、書籍や物品の購入に充てる予定である。
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