研究概要 |
(1)米国の代表的な個票パネルデータ、National Longitudinal Survey of Youthから1979~2006年の分析データを構築した。同棲も含む婚姻状態の間の移行を正確に把握でき、様々な説明変数を考慮できる等の長所がある。外部データを用い、州間・異時点間で異なる法的結婚の経済的便益に関するな説明変数も構築した。 (2)5段階で家族の形成と崩壊を捉える,逐次的選択モデルを推定した。段階1では、独身女性が、独身を続ける、同棲する、結婚するかを毎年決める。女性は意思決定を18歳で段階1から始める。同棲を選択する女性は、段階2に進み、同棲を続ける、別れる、結婚するかを毎年決める。段階1または2から結婚に進んだ女性は、段階3に進み、結婚を続けるか、離婚するかを毎年決める。同棲または最初の結婚を終えた女性は、段階4に進み、結婚歴または同棲歴のある再独身女性として、独身を続ける、同棲する、結婚するかを毎年決める。サンプルサイズ制約のため段階4から同棲に再流入する女性は段階2に進む。段階4または2から結婚・再婚する女性は段階5に進む。段階1、2、4は多項ロジットモデル、段階3と5はロジットモデルを仮定した。誤差項は段階間、段階内の選択肢間で独立であると仮定するが、段階内の異時点間の相関を考慮した。 (3)パラメター推定量の分布からパラメターを無作為抽出し、各女性の家族の形成と崩壊の経歴を18歳から28年間、シミュレートし、次の各経路について家族形成の確率、家族の長期持続の条件付確率、家族形成と長期持続の同時確率を予測した。(a)早い最初の家族形成:独身者による18~22歳間の最初の家族形成 、(b)遅い最初の家族形成:(a)と同じ、ただし24~28歳間の家族形成、(c)第2の家族形成:30歳で最初の家族崩壊を経験した者による30~34歳間の家族形成
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