研究課題/領域番号 |
25380360
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
梶谷 懐 神戸大学, 経済学研究科(研究院), 准教授 (70340916)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | GIS / 産業集積 / 地方財政 / 土地市場 / 珠江デルタ |
研究概要 |
産業集積ならびに地方財政、土地問題の相互の関連を行うための準備段階の作業として、アルバイト学生を雇用して地域別の企業データ・財政データの整理を行った。具体的には、中国国家統計局から一部のデータベンダーHuamei社を通じてリリースされている「中国工業企業データベース」(売上高が500万元以上の工業企業数十万社分の企業データを含む大型データベースで)の所収データを県レベルごとに集計し、県ごとの各産業別の企業数に関するデータを作成した。さらに、以上の企業データと、すでに連携研究者である藤井大輔が独自に進めていた、県レベルの財政収入・支出に関するデータと連結作業について、大まかなガイドラインを作成した。 また、土地価格については地方政府から開発業者や不動産業者などへの土地の払い下げの用途・方式・面積および価格などの基本的なデータについて、やはりアルバイトの学生を雇用して、各地方の国土資源局のウェブサイトにおいてダウンロードを行った。全国主要70都市の用途別の地価ならびに不動産価格データについては、ISI Emerging Markets社が提供するオンライン上の経済データベースCEICを通じて入手を行った。さらに、地理情報システム(GIS)分析ソフトArcGISを購入し、経済の空間的分析に関する具体的な分析ツールを取得した。 このほか、2013年にはAsia Economic Community Forum 2013に出席し、本年度中に入力作業を行った土地払い下げデータを用いて、地方政府の腐敗と土地市場の関連性を分析する報告を行った。また、2014年2月に中国広東省広州市・東莞市・佛山市・シンセン市を訪問し、珠江デルタ地域における産業集積の形成状況、ならびに新型都市化政策の実施状況に関する現地調査を行い、華南地域をモデルとした産業集積と財政・土地問題の相互の関連性についての知見を得た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
アルバイト学生を雇用して行った地方政府から開発業者や不動産業者などへの土地の払い下げデータに関する入力作業が、当初の予測よりも時間がかかり、年度中には具体的な分析に進むことができなかったため。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は、昨年度に引き続きアルバイト学生を雇用して、地域別の企業データ・財政データさらには地方政府から開発業者や不動産業者などへの土地の払い下げデータの整理を進めていく。その上で、地価に関する情報と、その県の企業数および財政状況に関する変数の相互の関係を分析し、産業集積の形成が当該地域の財政状況や地価の変動に与える影響について分析を進めていく予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
当面必要な書籍、消耗品などの購入を終えたため、来年度に繰り越して使用したほうがより効率的であると考えたため。 研究に必要な資料の購入に適宜充てる予定である。
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