公務員の給与の決定について,労働経済学における賃金決定の理論的研究から考察するとともに,データの収集を行った。また,制度的要因である公務員の労使関係や過去の労働組合参加率のデータや資料の収集に努めた。さらに,実証研究のためのモデルの特定化の可能性を探った。しかしながら,非完全競争的ではない労働市場の構造と,非営利的な組織における理論的な考察は,民間企業を対象とした従来の理論的なモデルでの解析の困難さ,また,制度的な要因による給与決定への影響や政治的な要因など,さらに考察しなければならない点が明らかとなった。今後も研究を継続する。
|