本研究では、企業が大学生に期待する能力と、企業が大学生に対して求めていると大学生自身が予想している能力との間の相違について検討し、職場で必要とされる能力に対して、企業と大学生の評価の間に相違があることを明らかにした。特に企業と大学生の能力に対する優先度は異なっており、本稿の調査結果では、企業と大学生は共に、多彩な個人の能力に高い価値を見出しているが、大学生はチームワーク力が最優先の能力であると考える一方、企業にとって、チームワーク力は最優先の能力ではなく、学生と企業の間の差異を見出すことができる。また大学生の学年や性別によっても認識の相違が存在することを明らかにした。
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