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2013 年度 実施状況報告書

発展途上国の年金制度の持続性と制度改革

研究課題

研究課題/領域番号 25380367
研究種目

基盤研究(C)

研究機関千葉経済大学

研究代表者

染矢 将和  千葉経済大学, 経済学部, 准教授 (40589397)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワード年金制度改革 / 世代重複モデル / 高齢化 / 発展途上国 / 一般均衡モデル
研究概要

年金制度の分析で標準的に使用されている異なる世代の家計の取扱を容易にする世代重複型家計や勤労期に貯蓄し高齢期に貯蓄を取り崩して消費するといったライフサイクルモデルを取り入れた動学的一般均衡モデルの開発を目標とした。
簡易モデルでは、政府部門はもとより年金制度や資産市場は入れず、人口成長は一定とする。モデルは生産部門と時間と世代、年齢により分けられ家計(家計は1期10年として20歳から70歳まで生きることを想定)から構成される。生産部門ではCobb-Douglas型生産関数を使用する。資本、 労働、利子率、賃金率、生産性、価償却費からなる利潤最大化問題を解き、利子率と賃金率に関する一階条件を求める。家計は、消費と余暇からなる効用関数はCES(Constant Elasticity of Substitution)型を使用する。また、各家計の生涯効用はCRRA(Constant Relative Rusk Aversion)型を使用する。労働、資本、賃金、利子率からなる予算制約を基にした家計の効用最大化問題を解くことにより消費と余暇の関係式が求まる。以上の式と消費に関するオイラー方程式、財市場と資本市場の均衡条件から簡易モデルは構成される。遺産は入れていないため、家計は6期の終わりに資産を全て消費することから、6期の終わりの資産はゼロということを使って最終期から後ろ向きにMatlabを使って計算する方法で開発に注力した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

現在のところ、簡易モデルをさらに複雑化した数式モデルはできたものの、シミュレーション可能なようにパラメータのカリブレーションには成功していない。

今後の研究の推進方策

平成26年度(2年目)は、現在のモデルをカリブレーションを終了する。その後、労働市場の導入や年金収支の国債による補てんのメカニズムをいれ、人口部門に平均余命の上昇を可能にする仕組みを入れる等モデルを精緻化し、研究の独創性を高めることに注力するさまざまなモデルをサーベイしモデル精緻化の工夫を研究する。その後、世代数を105世代まで除除に拡張する。
第一のテーマは労働市場で、労働供給を内生化し労働市場をモデルに導入する。その際、マクロの生産性とは別に、年齢別生産性をいれる。同じ期の労働者の生産性について各年齢で異なると考えられ、Effective Laborの概念を導入し若い時には学習効果により年齢の上昇とともに生産性が上昇するものの、勤労期の後半では体力の低下により年齢とともに生産性が低下するよう設計する。
更に、政府部門に国債発行をいれ年金収支の国債による補てんを可能にする。これにより、将来世代を含む世代間の公平性の分析が可能になる。また、死亡確率(定率)を導入し、平均余命の変動が可能となるように人口構造を設計する。多くの過去の研究は先進国を対象にしているため、平均余命の上昇のような途上国に特殊な要素は入っていない。既に平均余命が高く、今後上昇の余地が限られている先進国では、平均余命は一定と仮定しても差し支えないものの、人口構成が若く今後も平均余命の急速な上昇が期待される途上国では、平均余命が一定という仮定は適切でない。モデルの精緻化に3カ月、さらにモデルのカリブレーションに9カ月を予定している。

次年度の研究費の使用計画

初年度購入予定であったソフトウェアMatlabのアップグレード版の購入を翌年度に回したため、未使用額が生じた。
今年度は、初年度購入予定であったソフトウェアMatlabのアップグレード版の購入する。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2014 2013 その他

すべて 雑誌論文 (1件) 図書 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] 中国の財政課題と高齢化2013

    • 著者名/発表者名
      染矢将和・岡室美恵子
    • 雑誌名

      千葉経済論叢

      巻: 第49号 ページ: pp35-pp65

  • [図書] Multi-Dimension Country Review of the Philippines 所収  "Social Protection in the Philippines",2014

    • 著者名/発表者名
      Mieko Okamuro, Masakazu Someya
    • 総ページ数
      17
    • 出版者
      OECD
  • [備考] 千葉経済大学 教員プロフィール

    • URL

      http://www.cku.ac.jp/faculty/staff_someya.html

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公開日: 2015-05-28  

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