本研究では現在の制度や施策の実態と効果を検証し、非正規雇用者や女性等の多様な労働者が働きやすい新しい雇用システム実現のために必要な施策を検討した。①多様な労働者の職業能力開発についての分析、②最低賃金の影響についての分析、③公共職業訓練の効果についての分析を主に実施し、企業内訓練に関する情報の非対称性の解消、職業能力評価システムやキャリアカウンセリングの普及の必要性が示唆された。また、最低賃金引上げは人的資本形成に負の影響を与え、低スキル労働者と高スキル労働者間のスキル形成機会の格差を拡大させる恐れのあることから、最賃引上げの際には格差拡大を防ぐための対応も必要であることが示された。
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