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研究成果の一端をとりまとめて，「デフレの政治経済学」と題する論文を書き，なぜ日銀による異次元緩和によっても物価がなかなか上昇しないのかという問題を物価水準の財政理論の観点から説明した．そこでは，財政当局による債務返済の先送り体質がデフレ継続の根本的な原因であることを指摘した．また，日銀による長期国債の大量購入が財政再建に持つ意味についても検討し，通貨発行益の現在価値に上限がある限り，日銀の国債購入は単に将来の通貨発行益を先食いしているだけであり，やはり物価水準を引き上げる効果は期待できない点を明らかにした．この論文は近く木鐸社から井堀利宏政策研究大学院大学教授との共著で出版される「経済学で読み解く政府の行動：アベノミクスの政治経済学」（仮題）に収録される予定である．
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