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2013 年度 実施状況報告書

金融リスク計測における分散効果の定量的分析

研究課題

研究課題/領域番号 25380387
研究種目

基盤研究(C)

研究機関埼玉大学

研究代表者

丸茂 幸平  埼玉大学, 経済学部, 准教授 (90596959)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワード国際研究者交流 (オーストラリア) / 非線形なリスクの計測 / 非正規なリスクの計量 / リスクの合算 / Hermite多項式
研究概要

研究実施計画に挙げた第1段階に相当する内容をまとめ,ワーキングペーパー ``A Non-parametric Method for Approximating Joint Densities and Copula Functions for Financial Markets'' として公表した.現在この内容を専門誌 (Journal of Risk または Quantitative Finance) に投稿する準備を行っている.
ペーパーの内容を敷衍すると次の通り. まず,Hermite 多項式を用いて分布関数を近似する方法について述べた.この方法は近似の目標となる分布の積率のみから構成が可能なため,広く応用が可能なことが期待される一方で,近似精度に問題がある場合が多い.そこで,本ペーパーでは近似精度を改善するための方法を提案した.また,実際の市場データを利用して,非線形リスクを含むポートフォリオの損益分布の近似に応用できることを示し,VaRとESの計算例を示した.さらに,この方法を多変量に拡張し,同時密度関数やコピュラ関数を近似する方法を提案した.ここでも,実際の市場データを用いた数値例を示した.
ここで述べた方法は,今までモンテカルロ法など計算負荷が高い方法のみで得られていた,①リスクファクターが正規分布以外の分布に従う場合や,②リスクファクターがポートフォリオの損益に与える非線形な影響が無視しえない場合のリスク量の計測に応用が可能である.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

上記に述べた実績は,申請書に記載した第1段階と第2段階の1部に相当し,予定通りに進んでいると評価できる.

今後の研究の推進方策

今後は信用リスク計測を念頭に,Laguerre多項式をを用いた分布の近似法を開発する.Hermite多項式が正負両方の値をとりうる分布の近似に利用できたが,信用リスク計測においては,非負の分布を近似する手法が必要である.Laguerre多項式を用いた近似法は,そのための有望な候補と考えられ,これを利用した近似法の開発を進める.

次年度の研究費の使用計画

以下の2つの理由による.
1.当初,調査のための出張を25年度に予定していたが,これを26年度に変更した. 2.計量ソフトウェアを25年度に購入することを予定していたが,これを26年度に変更した.(25年度中の作業は,既存のソフトウェアやフリーウェアを利用して行った)
調査のための出張を26年度8月に行い,このために使用することを計画している.
また,ソフトウェアに関しても26年度中に購入を計画している.

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 備考 (1件)

  • [備考] Faculty of Economics Working Paper

    • URL

      http://sucra.saitama-u.ac.jp/modules/xoonips/detail.php?id=KY-21868611-04-01

URL: 

公開日: 2015-05-28  

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