研究実績の概要 |
「金融危機後の市場の実態を反映したデリバティブ評価の研究」に関し以下等を実施した。・原資産価格の変動に確率ボラティリティ及びジャンプを含むモデルに基づくデリバティブ価格の解析近似解及びモンテカルロの高速化法を漸近展開を活用し提案した。(Shiraya-Takahashi(2015-1,2016-1,2,3), Takahashi(2015)) ・不完全な担保契約下におけるデリバティブの価値評価の新手法とそのコモディティ・デリバティブへの適用法を提案し、Shiraya-Takahashi(2015-2)を発表した。・完全な担保契約下におけるデリバティブの価値評価の枠組みを構築し、Fujii-Takahashi(2016)を発表した。・フィルタリングの手法により、ノイズを含んだ観測データの下でのモデルの推定及びそのモデルに基づく価格評価の新しい手法として、Fujii-Takahashi(2015-1)を発表した。・流動性の低い資産への投資を評価するための例としてホテルファンド、リート評価を採択し、その基礎となる分析結果をSaito-Takahashi-Tsuda(2016)として発表した。 「 Closeout価格にカウンターパーティーリスクを織り込んだ信用リスク調整(CVA)の計算方法」に関連して、前向き・後ろ向き確率微分方程式(FSDE,BSDE)の漸近展開法の基礎理論及びその具体的問題への応用の研究を行い、Takahashi-Yamada(2015,2016-1,2), Fujii- Takahashi(2015-2,3)を発表した。 「デリバティブ間のモデルによらない相互依存関係」の研究に関しては、特定のモデルを仮定せず、デリバティブのヘッジ損益の変動を小さくする新手法を提案し、Tsuzuki-Takahashi(2016)を発表した。
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