本研究では、日本と米国の短期金利に関する過去半世紀の時系列データを用いて、その動学を長期的な観点で分析した。分析にあたっては、短期金利を政策的に管理する中央銀行の行動をTaylorルール型の政策反応関数として定式化し、金利の平滑化仮説とデフレ回避を目的とした予防的金利引き下げ仮説を検証した。検証の結果、前者を棄却し後者を支持する結果を得た。さらに探索的分析により、政策反応関数の水準係数の不連続なシフトを機械的に抽出し、金融政策のシフトがこれでほぼ説明できることを明らかにした。そして、このシフトを加味しないシミュレーションがバイアスを持つことを確認した。
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