金融危機前後の米国と欧州、および米国とアジアの資本フローを検討した結果、米欧間のグロスの資本フローは、危機前では流入・流出とも1兆㌦に達し、危機後はともに1/10程度に激減している(ネットではともにネグリジブル)であるのに対し、米亜間のグロスの資本フローは、どちらの時期も前者に比べてネグリジブル(ネットではアジアからの一方的な資本流出)であった。この米欧間のグロスの資本フローのうち、米国からの資本流出は。欧銀がMMFからの資金調達であり、資本流入は欧銀による証券化商品の購入であり、こうした米国のシャドーバンキングを通じて供給される流動性こそ今日におけるグローバル流動性の根幹をなしている。
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